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2008/12/27 Sat 16:53
近藤昭一メールマガジン第80号(再開第10号)
近藤昭一メルマガ第80号(再開10号)
(’08.12.27)
「会社はだれのものか?」−常々思ってきたことだが、今回の米国に端を発する世界
的な経済危機にあたり、改めて問いかける。
「会社は、資本家、経営者、労働者の三位一体のものであり、バランスが必要だ」と
思ってきた。ところが、米国ブッシュ政権発・日本小泉政権継承の「ギャンブル経済
主義」は、あまりにも、資本家にウェイトを置きすぎた。もちろん、資本は必要であ
り、資本が動かなければ、経済は回らない。まさしく「資本主義」の根本である。し
かし、今回の経済危機で改めてわかったのは、消費者の多くは労働者であり、消費を
する人々がいなければ、経済は回らないという至極当然のことだったのである。
「金融工学」のまやかし
「金融工学」なる言葉に違和感をもった人は多いと思う。私自身もそうである。とこ
ろが、世界中はこの言葉をもてはやし、すべてがうまくいくかのごとくの錯覚を持っ
た。しかし、思い出してみれば、ノーベル賞を受けた経済学者たちがつくった投資会
社は倒産したのであり、「リスクヘッジしてあるから大丈夫だ」と言った金融商品
は、ギャンブル経済下につけられた格付け会社による危険度を元に、勝手にリスクの
高いものと低いものとを混ぜて、「だから大丈夫」と言っただけなのである。故に、
あのトヨタ自動車でさえ逃れられなかった今回のような経済危機には無力だったので
あり、その原因も、金融工学なるものがつくった仮想のような利益だったのである。
残念ながら、そこには「経済の原則」が持つ「需要と供給」というものはなかったのであ
る。
現在の問題点と今後のあり方
現在、世界の資本がどうなっているのかを想像するのは難しい。しかし、この間に利
益を上げ、株価暴落のもとにもなった売り抜けをしている会社は存在するし、この間
にあげた利益はどこかにあるはずである。今後、それらがどう動いて来るかが、課題
であるが、今度こそは「資本家、経営者、労働者」のバランスをしっかりとらなくて
はならない。まさしく、世界の経済の在り方を「チェンジ」させなくてはならない。
日本の政権は、あまりにも労働者派遣法の規制を緩和しすぎた。確かに会社は、危機
管理として「派遣」を活用し、労働者の中にもそれを選択する人はいた。しかし、
ヨーロッパの国々に比べ、日本の会社における「派遣労働者の比率」は高すぎるので
あり、いざという時のセーフティネットも十分ではなかった。せっかくある「雇用保
険」も、非正規労働者の多くは加入できず、ここのところ政府は、基金が増えてきた
からと、保険料率を下げ、企業の負担を減らそうという動きさえし始めていた。確か
に、必要以上に基金をためる必要はないであろう。しかし、今回のような未曾有の危
機がいつ来るかわからないのであり、企業の負担を減らすという選択よりも、その
分、すべての労働者が加入できるようにするべきであり、失業の際の手当てを厚くす
るべきである。もちろん、何もかも、企業の負担を増やせと言っているのではない。
バランスが必要だということである。そして、今回の危機でそれがわかったはずであ
る。
ところが、現在の状況を見ていると全くと言っていいほどそうなってはない。困った
会社は一斉に派遣切りを行い。自らの生き残る道は探っても、消費者としての労働者
の生き残る道を模索してはいない。もちろん、下請けの会社のことや、そこで働く
人々のことなどほとんど視野にない。
すべてを会社に負えと言っているわけではない。右肩上がりの成長が望めない現在、
自由な競争でそれなりの発展を維持しつつも、限られた利益のパイをどう公正に配分
するかの仕組みをきちんと構築していかなくてはならない。資本家、経営者、労働者
の利益配分バランスだけではなく、社会全体のバランスを取らなくてはならない。い
ざという時のためのセーフティネットを、きちんと会社側と労働者側の分担で充実さ
せ、国の予算は無駄遣いしないよう、縦割りは勿論、特別会計や、特殊法人などの不
公正なやり方を正していかなくてはならない。
目の前にあること
先月、名古屋市の当局に間接的にではあるが、年末に向けての労働者対策の強化を要
望した。私は、数年前、ホームレス問題が大きな社会問題になった頃、関連法案の作
成に携わり、地元の市民グループの人たちの活動に参加した。毎週金曜日の夜、「夜
回り」と称して、彼らは栄や名駅のホームレスの人たちを回っていた。夜、10時過ぎ
から始まる彼らの活動は大変な労苦である。野宿する人たちを一人ひとり回り、体調
を聞き、温かいお茶を提供し、要望に応じて風邪薬や毛布を渡す。その活動の終わる
のは深夜であり、急な降雪などの緊急事態の場合には、曜日や時間に関係なく出かけ
ていく。そうでなければ、凍死してしまうこともあるからである。
彼らの多くは、働きたくとも、働く場所のない生真面目な人々である。それまでは、
仕事をし、人によっては経営をして見えた方も見える。50代60代の人を新たに雇用す
る企業は少ない。まして、住所のない人たちである。多くの人が経済状況の悪化に伴
い、仕事を失ない、やむなく野宿生活を送っているのである。
ここ数年はかなり、経済の状況が回復してきたためか。野宿生活の人も減り、私が行
くのは、年末の仕事の減る時期に行われる「炊き出し」と名古屋市が設営する臨時の
宿泊施設「船見寮」(仕事のでなくなる年末年始に市が設営する宿泊施設)の訪問だけ
であるが、この経済危機の中、今年の年末は、例年にない多くの労働者の人が仕事に
つけない中、厳しい状況になるはずである。その意味で、まごまごし、二次補正予算
も提出しない国に代わって、民主は緊急雇用対策法案を提出した。残念ながら、政権
がそれに答えない今は、対応を進める地元自治体に期待したいし、それをバックアッ
プしていかなければならないと思っている。最近、地元を回っていると、「あんな効
果のない2兆円ものお金の使い方(政府の予定している生活支援金配布)はやめて
よ。あのやり方では、本当に困っているホームレスのような人たちにも届かないじゃ
ない。今、必要なのは一時しのぎのお金ではなく、将来に安心感の持てる社会保障制
度を作ることと、将来が見通せる産業の方向性をきちんと政治がだすことでしょ。米
国を見てよ。原因は米国が作ったけど、見事に方向転換をして、厳しいけど、希望が
持てるじゃない。私はそのお金を受け取るつもりはないわ。」というお叱りをいただ
く。そのとおりである。現実の人々の生活を知らない、知ろうともしない麻生総理の
もとでは、さらに多くの人が苦境に陥る。もう代えなくてはならない。
今できることを、きちんとやり、不安と不満をなくすために、大きな方向性をきちん
と示したい。
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衆議院議員 近藤昭一
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