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2008/10/03 Fri  11:18
近藤昭一メールマガジン第76号(再開第6号)

Friday, October 03, 2008 11:17 AM
近藤昭一メールマガジン第76号(再開第6号)



近藤昭一メルマガ第76号(再開第6号)

(’08.10.3)


早くも麻生内閣大臣の辞任である。

先の福田総理の突然の辞任の際にも書いたが、「どうして、かくも安直に日本の大臣
は替ってしまうのか?」 全く国際社会の笑い物だと思う。



大臣の職責とその重み



数年前、わが党の菅直人さんが「大臣」という本を出版して話題になった。それは、
現役の政治家が、その著書を岩波新書から出版するということが、ほぼ初めてのこと
だったからでもある。それまで、日本の政治家の書く本は、ある意味で胡散臭く、自
己宣伝のみに終始し、論理的な考察や実証もなく、自らの一方的な思いだけを書いて
きた。そのため、学術的な水準からみるときわめて低級で、一般的な論文としては出
版に耐えないというものであった。もちろん、何も政治家に研究者になれというので
はない。しかし、もっともっと論理的に、専門的な研究者と議論しても見劣りするこ
とのない知識と見識を持つべきであると思うのだ。



しかし、それを菅さんが打ち破った。当時の世論では、菅さんは「総理にしたい政治
家ナンバーワン」であった。この本の内容は、菅さんが、大臣の権限と官僚機構を考
察し、「こうすれば、行政も動く。いかに大臣には権限があり、やれることがあるの
に、自民党政治家の多くが怠ってきたか!」ということを述べたものである。薬害エ
イズ問題で、無いと言われた関連ファイルを探し出させ、同問題の解決に向けて大き
な成果をあげた菅さんならではの著作であった。当時まだ私は初当選を果たしてはい
なかったが、その後「新党さきがけ」に入党し、菅さんとも親しくさせていただく中
で同本を直接いただいた。



日本の現在の「大臣」の問題点



現在の日本の「大臣」には、いくつもの問題がある。

(1) 名誉職になってしまっている。そのため、本当にその分野のスペシャリスト
(かつての自民党には、いろいろ問題はあっても、そういう方がおられた)でない人
がその職につき、官僚機構の言うままになっている。

(2) 自民党の人気取りの手段になってしまっている。これも、と同様に、その
分野

に必ずしも精通していなくとも、知名度があり人気のある人を任命し、官僚機構にコ
ントロールされる一因になっている。

(3) 総理大臣の「独自色」を出すのはいいが、仲良しクラブになってしまい、総


と「似た者同士」となり、総理の暴走も止められないし自らの暴走も止められない。

(4) 短期間に変わりすぎていて、じっくりと政策に取り組めず、内外を含めてそ
の分

野の関係者との信頼関係も築けないでいる。



こんな「大臣」のもとにいる国民は不幸であると思う。国民が不幸なばかりではな
い。席を温める暇もなく替わって国際社会との信頼関係も築けないようであれば、こ
の厳しい時代に国としても日本は生き残っていけるわけがないのだ。



  あるべき姿



何も官僚の一人ひとりが悪いと言っているわけではない。この国の主役は国民であ
り、国民の意思を無視して国が成り立つはずがない。もちろん、いつも、国民が正し
いとは言わない。先の「小泉郵政選挙」でも、結果的には国民の判断は間違った。
(厳密に考察すれば、自民党は圧倒的な勝利をしたが、与党と野党の得た票数の総数
は野党の方が多かった。その意味では国民はけっして間違っていなかったのだが) 
国民は往々にしてだまされ易い存在である。だから、国民の選択が招く結果と、時の
政権が志向する方向とは大体において一致しない。そして、この国で国民の声を代弁
しているのは唯一、官僚ではなく、議会制民主主義制度の下での政治家なのである。



  したがって今、政治家に必要なのは真に国民の現実の声に耳を傾け、政策を作
り、実行していくことである。国民の声によく耳を傾け、声なき声を声にして代弁す
るのは政治家をおいていないのである。そして、その政治家のトップに立つのが「大
臣」である。「大臣」は代弁者の代表であり、最も重い責任を持つのだ。「大臣」
は、現場を知り、歴史を知り、理論を知り、人を知り、世界をも知らなければならな
い。だから、個人的に偏った考えに立つことなど出来るわけがない。「大臣」は、全
ての人のことを忖度できなければならない。自分を選んでくれた国民のことも、そう
でない国民のことも。考えが一緒の人も、異見を持つ人のこともである。



  ところが、今回辞任した方は、全くそうではなかった。データに裏打ちされてい
ないことを自らの感情のみで判断し、事実誤認の意見を言い放った。まさしく言語道
断であり、辞任すべきというよりも、任命すべきではなかったのである。その意味
で、当然のことながら、麻生さんの責任は重い。

 

最大の懸念



繰り返すが、「大臣」はそれ相応の知識と見識をもち、バランス感覚をもち、すべて
の国民、人々のことを思わなくてはならないのである。その意味では、さる大臣(厳
密にはもう辞任している)以上に、麻生さんの方が心配である。9月17日付の毎日
新聞で、野中広務元自民党幹事長が「麻生総理の資質に疑問あり」として、その人権
感覚を批判し、一国の総理としてふさわしくないとインタビューに答えている。私も
まったく同意見である。

 

たしかに麻生総理の話は軽妙であり、聴く者をある意味ひきつけるものがある。その
点から観ると、簡単には解散せず、自らの話術で小沢代表と対決し、内閣支持を上げ
られるのではないかと虎視眈々と狙っている気がする。しかし、その思惑には、早々
にほころびが来ると思う。それは、一国の総理としてはあまりに見識を欠き、姑息な
知恵だからである。

自民党はこの数年いつも、自らの生き残りのみを考えて総裁・総理を選ぶ。小泉さ
ん、安倍さん、福田さん、麻生さんである。これは、今や自民党が持っている宿命的
な体質であると断じざるをえない。そうでなければ、先の総裁選の際、名駅前での街
頭演説で、「豪雨に遭ったのが、岡崎でよかった」などと、とんでもない発言をし、
岡崎市長に陳謝の書簡を送った人を人気のみで総裁・総理に選ぶ筈などないではない
か。もういい加減にこんなことは終りにしなくてはならない、とつくづく思う。

 

  今の日本の内閣に必要なことは、真に適材適所で大臣を配置し、じっくりと政策
に取り組ませることである。例えば、デンマークは、COP15に向けて着々とリー
ダーシップを発揮するべく動いている。機構問題担当大臣をきっちりと固定化し、世
界を歴訪させ、各国の要人、環境関係者と顔合わせをし、ネットワークを構築してい
る。

 私は、日本もかくあるべきだ、と思う。しかし、こうしたことは、もはや自民党の
体質では出来ないことであり、政権交代を実現するしか道は無いのであろう。

 



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衆議院議員 近藤昭一事務所  林 裕次郎
〒468-0058 愛知県名古屋市天白区植田西3-1207
TEL 052-808-1181 FAX 052-800-2371
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