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議員MAGS 644号編集後記

Saturday, December 03, 2005 2:27 PM
議員MAGS 644号編集後記


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  愚  言              EZVOICE 代表 後藤善孝
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 あれは25年ほども前のことであったろうか。今と同じに、年の瀬を迎えて
 の午後。ある村(もう、町になっていたかもしれない)を訪れた。その訪問
 の理由は何であったかは記憶に蘇らない。

 老人が前に座り、孫が虫好きで困ると言い、幾度も、こちらの顔を覗き込ん
 だのである。それが何を意味していたのかも定かではない。ただ、その老人
 が、「選挙中でも帰ってこない」「でも、良いんですよ」などと言った記憶
 は何故か、熱すぎるお茶の感触とセットになって、切り取ったようにくっき
 りと残っている。

 その候補者は「小泉純一郎」、そう、いまをときめく最高権力者である。

 小泉首相を特定するのではないが、選挙の強い人は、世情に疎い。当然とい
 うばそれまでであるが、致し方ないことであろう。選挙民がそれでも良とし
 て、選び、大方の狂いもなく、政治家、国会議員を勤め上げているのであれ
 ば、それはそれで、文句も言えまい。

 政治家の資質ともなると緒論あり、それぞれに理屈がある。まぁ、敢えて、
 極小な脳髄を絞り、普遍的な政治家の資質を述べれば、高志があり、滅私に
 徹して、国民益(国益・公益)を第一に考え、仮公済私を嫌い、最低限の具
 備すべき政治家としての知識を有するということになるのかもしれない。で
 き得れば、未来を眺望でき、経験なきことには追体験を持ってこれを補う能
 力が必要ということであろう。


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 先の25年前は自由民主党結党(11月15日)25年周年の年でもある。
 あれから四半世紀。今月18日に、自由民主党50周年の記念大会が催され
 るという。1955年11月、自由党と日本民主党によるいわゆる「保守合
 同」で成立した自民党。

 多くは往年の名前は政党の歴史の文字となった。いまや、安倍晋三官房長官
 の祖父岸信介元首相が立ち上げた岸派(箕山会)をルーツとし、岸から福田
 赳夫元首相、そして安倍官房長官の父・晋太郎元外相、三塚博元幹事長を経
 て現在の森喜朗前首相へと継承されてきた「清和会」が一大勢力を形成し、
 旧田中派がわが世の春を謳歌した際とは、比べものにならないほどの急成長
 ぶりを見せ付けている。

 ここに「小泉チルドレン」というこれまでにない要素が生まれて、政治の読
 みを困難にしているとの評論もある。しかし、思い起こして欲しい。安倍晋
 三官房長官が幹事長のときに当選した「安倍チルドレン」が存在することを。
 とは言え、先の郵政民営化総選挙で、敗れたもの、離党したもの、小泉与力
 を自称、僭称するものたちがいることも無視できない。



 序ながら、民主党の事に触れれば、前々回の総選挙、前回の参議院選挙での
 元官僚、元商社マン、新進気鋭の弁護士、キャリアウーマンなど公募候補の
 登用で自民党に圧勝した経緯を踏まえて、それを丸ごと「真似た」結果が先
 の総選挙の自民党圧勝、民主党惨敗の結果を生んだ大きな要因でもある。

 事ほど然様に、自民党の歴史は、派閥闘争で足腰を鍛え、強かな選挙戦を勝
 ち抜いてきた歴史でもある。今次の小泉圧勝劇も、この自民党的な範疇にあ
 るとの見方もできなくない。

 解散前後の岡田民主党前代表の浮き足立った発言の際に、「それほど柔では
 ない自民党、自民党の強かさを知り抜いていますよね、小沢さん、鳩山さん」
 と呼びかけたことを思い出す。結果は、予想したように(予想以上に)、小
 泉自民党圧勝、3分の一現象を生んだ。



 森前首相が近い将来、安倍官房長官を後継者に指名すれば“大政奉還”とな
 るのであるが、福田赳夫元首相の子息である福田康夫元官房長官への一つ前
 奉還もあり得よう。さわ然り乍ら、自民党の常道を逸している小泉首相には
 「小泉チルドレン」(小泉派)という無言の圧力の存在も否定できない。

 これに、麻生太郎外務大臣、谷垣禎一財務大臣、竹中平蔵総務大臣が並ぶ。
 しかし、彼らに中川秀直政調会長の顔も見え隠れして、岡目八目宜敷く、世
 間の一部は喧しい。


           --------- ∞☆∞ ---------


 勝手ながら、少し、うろ覚えになった記憶を辿って、復習してみたい。

 保守合同に際して、自由党系には吉田茂、緒方竹虎、大野伴睦の3つの系譜
 があり、民主党系には鳩山一郎、岸信介、松村謙三・三木武夫の3派が存在
 した。その後。小選挙区制度施行までの40年、離合集散を経て、田中、大
 平、福田、中曽根、河本の系譜を受け継ぐ五大派閥の時代が長く続いた。



 その系譜は、吉田茂元首相の系統は池田勇人、佐藤栄作の2派に分かれ、池
 田派(宏池会)は前尾繁三郎、大平正芳、鈴木善幸、宮澤喜一、加藤紘一と
 継承されてきた。しかし、4年前に野党が提出した森内閣不信任案に加藤元
 幹事長が造反、これが潰されたことにより現在の堀内、旧加藤、河野の3つ
 に分裂。

 クーデターを伝統とする佐藤派(周山会)は、佐藤が8年7ヵ月という歴代
 最長不倒記録を樹立して退陣したあと、後継総裁に福田赳夫を指名しようと
 する佐藤に田中角栄(元首相)が造反。田中が独立して同派を襲い取り、保
 利茂らは別派を立てた。田中後には、あの竹下登(元首相)の独立、二階堂
 進らの田中派残留と二階堂グループの結成。竹下派会長だった金丸信の議員
 辞職の末に、小沢一郎(元幹事長)、羽田孜(元首相)らの離党と新生党結
 成。旧橋本派(橋本龍太郎元首相)辞任後、長い間、会長空白が続き、津島
 派となる。かつて「軍団」と呼ばれた最強最大派閥は、いまでは、見る影も
 なく黄昏つつあると言われている。



 岸派(箕山会)は、岸の首相退陣後、福田赳夫、藤山愛一郎、川島正次郎と
 分派したが、藤山、川島両派は消滅、福田派が岸直系として現在の森派に継
 承され、わが世の春を謳歌していることは先に述べた。



 早稲田大学卒業後、朝日新聞社に入社、昭和6年(1931年)犬養毅内閣
 の山本悌二郎農林大臣の秘書官となった河野一郎は、昭和7年(1932年)
 2月、衆議院議員総選挙に神奈川3区から出馬し、当選。立憲政友会に所属。
 戦後の政界武勇伝は有名。三木武吉、石橋湛山、大野伴睦、石井光次郎など
 の名を思い起こす。

 この河野元農相が起こした春秋会を源流とする中曽根派は、河野没後、中曽
 根康弘と岡田直の両派に分裂したのち、形成された。その中曽根派も、中曽
 根派直系が渡辺派になり、さらに江藤隆美派になり、そこから山崎拓元幹事
 長が独立。江藤派は、福田派を飛び出した亀井静香派と合併。「江藤・亀井
 派」(志帥会)を名乗った。先の選挙後、伊吹派となっている。



 「二階俊博グループ」を合わせると5派(旧橋本、森、亀井、山崎)4グル
  ープ(高村、小里、河野、二階)に細分化している。



 以下に、粗っぽく、派閥の系譜をまとめれば、

(旧自由党系)
 吉田学校→宏池会池田勇人→前尾繁三郎→大平正芳→鈴木善幸→宮沢喜一
      →加藤紘一(大勇会河野洋平派→)
      →小里貞利(宏池会堀内光雄派→)→谷垣禎一派、
     →周山会佐藤栄作→木曜クラブ田中角栄(周山クラブ保利茂→×)
      →経世会竹下登(木曜クラブ二階堂進→×)
       →平成研究会小渕恵三(改革フォーラム21羽田孜派→×)
                →橋本龍太郎→津島雄二派
     →水曜会緒方竹虎→石井光次郎派→×
 鳩山一郎→白政会大野伴睦→村上勇(船田中派→×)→水田三喜男派→×
        (自由革新同友会中川一郎→石原慎太郎派→×)

(旧民主党系)
 鳩山一郎→八日会岸信介→清和会福田赳夫
            (愛正会藤山愛一郎派→×
             川島正次郎→椎名悦三郎派→×)
              →安倍晋太郎→三塚博(政真会加藤六月系→×)
                     →森喜朗派
 鳩山一郎→春秋会河野一郎→政策科学研究所中曽根康弘
             (森清→園田直系→×)
              →渡邉美智雄→志帥会村上正邦
                    (近未来政治研究会山崎拓派→)
                     →江藤隆美→亀井静香
                           →伊吹文明派、
 鳩山一郎→火曜会石橋湛山→×
 政策懇談会三木武夫(松村謙三系→×、早川崇系→×)
              →新政策研究会河本敏夫(海部俊樹→
                     新しい波二階俊博系→)
                     →番町政策研究所高村正彦派

 これに、大勇会(河野洋平グループ)が加わる。


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 派閥解消を、派閥破壊を打ち立てた小泉首相。派閥は小選挙区制導入により、
 予想されたように党中央に権限が集中。従前にあった派閥の機能は完全に変
 質した。派閥は存在するが、その人事権を首相が掌握した点では、これまで
 とは、まったく異なる。それ以外は、小泉首相の手腕というよりも、小選挙
 区制度によると見ておくべきであろう。


 2日の昼、小泉純一郎首相は公邸で初当選組である杉村太蔵、佐藤ゆかり両
 衆院議員らいわゆる「小泉チルドレン」約40人と食事を共にしながら懇談。
 首相は「総裁選までは本当に権力闘争になる。焦って派閥に入る必要はない」
 などと説諭し、来年9月の党総裁選までは無派閥であれと指示したことから
 も、自身が派閥を否定できてはいないことが鮮明となっていることを物語っ
 ている。


           --------- ∞☆∞ ---------


 自由民主党結党50周年に際して、思わず昔を振り返る仕儀となった。予定
 していたものとは違い、忘却の彼方に行ってしまった記憶を呼び戻す過程で、
 フラッシュバックしてしまったようだ。誤解も、誤謬も、間違いもあると思
 う。寄る年波、こんなことも、時には、あっても良かろうと思う。読者諸氏、
 許されたい。




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 今回は、NO.266-2003.10.20です。
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  記すようにしています。ですから精度の低い情報に基づくこともあり、
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  愚言子ながら、その赤心からの思いを書き連ねたものでもあります。他
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